電子書籍の購入をためらうわたしの背中を押してくれた2つのこと
せっかくKindle端末を買ったのに、電子書籍を買うタイミングがなかなかつかめない……ってこと、ありませんか?
少なくとも、私はKindle Paperwhiteを買ってからのこの半年というもの、ずっとその症状を患ってきました。
原因はわかっていたんです―― ひとえに「セールを待って少しでも安く買いたい」病のせいだと。
今まで紙の本ならセールなど考えたこともなく、好きなタイミングで好きなように買って読んでいたのに、電子書籍ではなぜこんな気持ちに…?と我ながら困惑していました。
でも、もし同じ病を患っている方がいらしたら、今ならこう言えます。
電子書籍は、いつでも安いからいつ買ってもおトク!!!だと思います!!!
―― と!
どうして電子書籍の購入をためらってしまうのか
あらためて、電子書籍の購入をためらい続けてたどり着いた(個人的な)原因は、2つありました。
1つは、上記のようにセールを待ち続けてしまう…というか「セールが多すぎて待っているうちに逆に買うタイミングを逃す」ということ。
セールが多いのはとてもうれしいことなのですが、ひっきりなしにセールが始まり、そして終わり、また始まる…というめまぐるしさについていけず、いったいいつ買ったらおトクなのか、最底値はいつなのか、と考え始めたらきりもなく。
買おうかな~と思っても、いやいや待てよ?もしかしたら買ったすぐあとにセールが始まっちゃうかも…そしたらすごく悔しくない…?とクリックするのをためらってしまうんですよね。
定価で買うのが当たり前だった紙の本では想像もしなかった心の動きでしたが、安くなる可能性が出てくるとつい欲が出てしまうものなのだなぁとしみじみ。
そしてもう1つの原因は「読み終わったあと買い取りに出せない」こと。
―― 1つめの原因も合わせて我ながらセコいなぁと苦笑いなのですが、これが思いのほか高いハードルになってしまいまして。
買って読んだはいいけれど満足できなかった…というお高い本などを、せめて買い取りに出すことで「す、少しはリターンもあったし…」と思いたいという……
でもそういうの、ちょこっとありません? 本を捨てることはなるべくならしたくない、でももう二度と読まないだろうし、だったらせめて少しでも、とじたばたあがいてしまう……ぐぐっていたら似たような方々をちらほら見かけて、ちょっとホッとしたり……
電子書籍はやっぱりおトク!と背中を押してくれた2つのこと
そんな苦悩を以前も記事にしましたが(Kindle Paperwhiteを半年使ってわかってきた電子書籍とのつきあい方 - TEMA-NUKI Days)
―― でも、最近になってやっと、吹っ切れました!
そのきっかけがまたセコい話ではあるのですが、たまーーーーーに見かける同志のみなさまがもしご覧になって、あ、そんなことでも…みたいな感じで、少しでも背中を押せたらいいな、と思います。
買い取り価格を振り返って冷静になる
これ、個人的にはものすごい効き目でした!
基本的に買い取りはいつもブックオフの「宅本便」を利用しています。
自宅まで回収に来てくれる便利さ、買い取り金額が時折20%アップになるありがたさ、その他いろいろな条件が自分に合っていて使いやすい。
さらに、2年ほど前からは買い取り手続きが終わったあとに「タイトル別の買取明細」を会員メニューで確認することができるようになりました。うーん、懇切丁寧!
で、そのタイトル別の買い取り価格を数年分ざっと振り返り、大ざっぱに検証してみたのです。
今までわたしが買い取りに出してきた本たちがぶっちゃけどの程度の金額で買い取られてきたのかを、真正面から見つめ直そう、と。
―― で、結果。
どんなに新しい漫画でも買い取り額20%アップで200円がやっとのこと、ちょっと古い漫画なら2円(!)
文庫本も最低2円、最高200円ちょっと。
ハードカバーは新品で状態が良くて需要があれば700円超えもあるものの、分厚い上下巻の小説がセットで23円(!)というケースもある。
ということが判明し……今さらながら意気消沈。
一方、Kindle本はまず購入価格が紙の本より安く設定されていることが多いですよね。
たとえば463円の漫画がKindle版なら432円、1,620円の単行本がKindle版なら1,300円などなど、この時点ですでに紙の本を買って読んだあと買い取りに出すのと同じくらいのリターンがある場合も。
さらにKindle本は「20%pt還元」というケースが多い。
定価450円前後の漫画なら90ptくらい、元の値段によりますが文庫本なら200pt前後、ハードカバーなら300pt前後くらいが還元されて、そのptは1pt=1円としてAmazonでの次の買い物に使用することができます。
ということは、両者合わせればKindle本の方が買い取りに出す以上のリターンがある、というケースがかなり多いのでは……?
いや、今さらですよね……みなさんたぶん普通にササッと頭の中で計算して、電子書籍の方が結果的に安いな、的な判断をされているのだと思います。
でもなにせわたくしめは超文系人間、消費税の計算すら手間取るレベルで数字に弱いもので、朝三暮四的な呪縛(あとからリターンがある方がなんかおトクな気がする感)から逃れられなかったのですよ……
今回こうして数字にきちんと向き合ったおかげで、わたしをためらわせていた買い取り問題は実は取るに足りないものだったのだ、と心から納得することができました。
そしてそういう眼差しであらためて読みたいKindle本をチェックすると、フェアやセールの期間じゃなくても、いつだっておトクに本が買えるんだ!としみじみ思えました。
これからはもう、セールにも還元率にもこだわらない!思い立ったときに読みたい本を買う!買いたい!
―― ということで、さっそく買いました、ずっと買おうと思っていた『賢帝の世紀──ローマ人の物語 IX』を!
「ローマ人の物語」は図書館で全巻読んだあとに文庫版で「パクス・ロマーナ」までは買いそろえてあって、さてここから先を電子書籍でそろえるべきか、もういっそ全巻電子書籍でそろえ直すか、と迷いながらも今まで思い切ることができずにいました。
でも先日TVでハドリアヌス帝の番組を観て、この「賢帝の世紀」だけでも読み直したいなぁと思っていたので、思い切って電子書籍で購入。
Kindle版ならそもそも紙の本より¥1,728安くなる上に、さらに20%の317ptが還元されて¥3,240の本が実質¥1,195で買えるという……いいんですかこんなにおトクに購入できちゃって……Kindle版本当におトクすぎる…!!!
これですっかり勢いづき、ローマ人の物語シリーズを続々購入。いやーーーやっぱりおもしろいです、このシリーズ!
ずっと読みたかった本をすぐに買って読めるの本当にありがたい!あの分厚い本をこんなに薄く軽い状態で持ち歩けるってすばらしい!!!
もちろん、Kindle Paperwhiteを買って今までも、手持ちの本を持ち歩ける喜びは十分味わっていました。
でもそこに買う楽しみ―― すぐに買える楽しみが加わったことで、読書欲が一気に復活しました!
Kindle日替わりセールを活用する
とはいえ、セールはセール、ふだん以上に安く買えるのだからやっぱり活用はしたい!
でも上記のように、Kindleはものすごくひんぱんにセールをやっているイメージで、しかもそれがあまりにも広範囲(○○社コミックフェアとか××社新書セールとか)で、果たしてそこに自分の読みたい本があるのかが今ひとつピンと来ないし、いざ該当セールを見に行っても本が探しづらくて見るのもおっくうになってしまいがち(あくまでもこじんのかんそうです)
しかもセールが何日から始まって何日までなのか覚えきれず、あとで見に行こう…と思っている間にセールが終わってしまったり、かと思えばまたすぐ始まったり…?わたしのようなうっかり者にはなかなかリズムがつかめずうまく波に乗ることができません。
しかし!
日替わりセールは、読んで字のごとくの「日替わり」です。
その日のうちに決断しなければ、次の日にはもう元のお値段に戻ってしまう、その切迫感が強く背中を押してくれるのです。
【やり方】
1.Amazon KindleストアのTwitter公式アカウントをフォロー or リストに入れる
2.毎日日付が変わるとともにツイートされる「日替わりセール情報」をチェック
これだけ!
Amazonの該当ページへのリンクもツイート内に貼ってあるので、その日のセール本に興味を引かれたらリンクからAmazonに飛んで詳細情報を確認します。
本の内容やレビューなどを見て、読みたい!と思ったらクリックで購入すれば即Kindle Paperwhiteに配信されます。
先日は『印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ』を約6割引で ↓↓↓
そして『いちばんやさしい哲学の本』を約7割引で ↓↓↓
それぞれ破格の値段で購入することができました。
―― というか、中野さんの美術の本は以前から読みたいなあと興味を持っていたので、日替わりセールにそのうちの一冊が来た時はガッツポーズ&ほんとにこんな安く入手していいの!?って大歓喜でしたし、実際読んでみたら本当におもしろい!印象派の画家とその絵を取り上げながら、時代の背景をわかりやすく説明してくれていて、絵もカラーでふんだんに掲載されており(なのでこれはKindle Paperwhiteで読むよりもiPadminiのKindleアプリでカラーで読んだ方が楽しめると思います)なるほどなー!と思うことがいっぱい!
中野さんの他の本も読んでみたくなって、どれを買おうか考え中です。
哲学の本も、もともと『哲学用語図鑑』を読みたいなーと思っていて、でもまだ電子書籍化されていないからどうしようかなぁと迷っていたところだったのですが、今回その入門編のような易しめのこの本で哲学の流れをわかりやすくざっくりとつかむことができて、思い切って買って良かった!と思いました。
そんなふうに「思い切る」ことができるこの「日替わりセール」は、わたしのような人間には最適の機会。
セール期間などを考える必要もなく、とにかく今日!今日中に買うか買わないか決める!というシンプルさ、そしてぐずぐずしていたらおもしろい本をおトクに買う機会を逃してしまうかも!というセコさ(笑)が絶妙に機能してくれて、わたしの背中をどかんと押してくれました。
この「日替わりセール」をチェックする習慣はこれからも続けていこうと思っています。
ちなみに「月替わりセール」の方はわたしにはあまりヒットしませんでした……一ヶ月という長い猶予期間、そしてビジネス書寄りなラインナップも今ひとつ乗り切れず。
日替わりセールもビジネス寄りではあるのですが、タイミングも含めて今のところは日替わりが自分に一番合っているなと思います。
「買って読む」楽しみを思い出した
で、こうしてまたKindle本をさくさく買うようになってみるとあらためて、わたしは「積ん読」をしないタイプだった、と思い出しました。
とにかく、買えば読むのです、なんでも。
活字中毒なので、たとえば新聞は毎日隅々まで読みますし、休刊日は朝から気分が落ち込むくらいに活字を欲していて、とにかく何でもいいから字が読みたい!
だから、買った本をそのまま放置しておく、ということはほとんどありません。絶対に、読むのです。
そして、読めばそれは決してムダにはならない、と思っています―― たとえつまらないと感じる本であっても。
だとしたら、四の五の言っていないでとにかく買う!そして読む!
おトクに買わねば!などと気負いすぎずとも、Kindle本はわたしにとっては365日いつでもおトクなのだと。
そう思えたとき、自分の中の「おトク論争」ですっかり見失っていた「買って読む楽しみ」をようやく思い出すことができました。
読みたい、と思ったときにすぐに買えて、いつでも持ち歩けて、好きなときに読める。
―― こんなしあわせを半年も味わわずに過ごしていたなんて、そっちの方がもったいなかったな~と今は思います。
セールもまた楽しみに!
そしてここまで来てやっと、セールとのつきあい方も見えてきました。
「目当ての本が安くなるまで待つ」のではなく、「セールに気づいたらふらっと本を探しに行ってみる」のが、わたし的にはベスト。
買いたい本はセールを待たずにどんどん買い、セールのときは思いがけない本との出会いを期待して楽しむ。もしそこで「あっこの間買った本が安くなってる…!」という発見があったとしても、たぶんもう悔しくはないと思います…だって買った時点で十分安かったはずですもん。
今は本当に、本が買いたくてしかたありません。
ずっと電子書籍版で買い直したかったあの本も、最近話題のあの本も、どんどん買って読みたい!新聞や雑誌の書評も食い入るように読んでしまいますし、そんな自分が戻ってきたのもうれしい。どこにでも持ち歩いて好きなときに読み進めたい!そんなわくわく感でいっぱいです。
さっそく今(2016年12月初旬)やっている東京創元社50%還元で、機会があれば読みたいなと思っていた『星を継ぐもの』を買ってほくほくしています。
これでようやく、Kindle Paperwhiteがいい相棒になってくれる。
やっとそんな実感を持つことができて本当にうれしいです。