TEMA-NUKI Days

かんたんべんりにくらすためのちいさなライフハックなど

慣れた味を非常食に【防災】

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非常食、備蓄していますか?

3日~1週間分程度の食糧を家庭内に備蓄しよう、ということは震災前から推奨されていたように思います。
そして震災後、大雪や台風でも流通が滞って品薄になってしまうことがだいぶ周知されてきて、実際に備蓄をする人も増えてきた、ような。

世の流れにすぐに影響されてしまうわたしも、震災前からいわゆる「非常食」を専門のサイトで購入して、不定期ですが点検も交換もして、万が一何かあったときも食べものには困らない!と自負していました。

―― そして5年前、実際にその「万が一」の事態が起きて。

結論から言えば、ありがたいことに食べるものには困らなかった…のですが。

ただしそれは、非常食のおかげというよりも、普段から食べているものやそのストックのおかげでした。

震災時に、どんなものが役立ってどんなものに出番がなかったか。
あくまでもいち東北民としてのわたしの経験談ですが、以下感じたことや気づいたことをまとめてみますね。

食欲が落ちたときのためにおかゆ類を


震災当日の夜、部屋を片づける気力もなくまだ呆然としながらとりあえず腹ごしらえをしようとなって。
まずキッチンに入れないんですよね…食器棚が倒れて入口をふさぎ、さらに扉のガラスが割れて散乱してうかつに足も踏み入れられない。
しかたなく朝沸かしてポットに入れてあったぬるいお湯で、非常食の「お湯を注ぐだけでできる炊き込みご飯」を作りました。

で、やっぱり非常食って役に立つんだなぁ…としみじみ感謝しながら、さていざ食べ始めると。
―― なんというか、全然喉を通らないんですね…食欲が湧かないというか。

たぶん精神的に参ってしまっていて、お腹は空いているのに何も食べたくない。
こういうときは、レトルトのおかゆか、非常食でもお湯を入れるだけのフリーズドライおかゆなどがあるので、そういうものがあったらなぁとつくづく思いました。

ただ、これにはおそらくもう一つ理由があって―― ↓↓↓

 

非常食は事前に味見をしておく


購入前の試食は難しいと思うので、せめて購入後に1つだけでも非常食を実際に作って食べてみることをオススメします。

非常食に美味しさを求めてはいけないのかもしれませんが、美味しさというよりも「慣れ」が大切なのかも…?

震災後に残っていた「お湯を注ぐだけご飯」系の非常食が賞味期限になったとき、一人のときのランチにでもすれば無駄にならないよね、ナイスアイディア♪ とまた作って食べてみました。

でもやっぱり、うーん…食感のせいなのかなんとなく食が進まず、全部食べきることができませんでした。
で、その後また新たに非常食を買い足すときには、そのご飯は選択しないことに。

非常時でもないのに食べるのはもったいない気もしますが、非常食は一度食べてみて、どんな食感や味なのかを確認しておく。美味しい!となればめでたしだし、うーん…?となったらまた別なものを試してもいいかもしれない。
そうすることで、非常事態のときにより喉を通りやすい、自分が食べやすい非常食を備えておくことができるのではないかと思います。

 

水で戻すお餅はオススメ

17.09.02追記
その後消費期限が来た非常食を味見してみて、これは普段からでも食べたいくらい美味しい!と思ったのが、水で戻すタイプのきなこ餅。


 

もちろん、つきたてのお餅みたい!とはいきませんが、水で柔らかくなったお餅にたっぷりのきなこをかけて食べるとつるんと喉を通って食べやすく美味しかったです。食事と言うよりはおやつになってしまうかもしれませんがそこそこお腹にたまって満足でした。
これは引き続き買い足して保管しています。

 

瓶詰めや缶詰が大活躍


というわけで、震災翌日からの食事は、非常食を食べない方向に方針を転換。

電気とガスが生きていて、でも断水だった我が家では、「水を使わなくて済むものをレンジであたためて食べる」ことに。
そこで活躍したのが、普段の習慣でたくさん炊いて冷凍保存してあった「ご飯」。
そして、買い置きしてあった「瓶詰め」や「缶詰」のおかずたち、でした。

皿が洗えないので茶碗などにラップを敷いて、そこにレンジであたためたご飯を盛りつけ、瓶詰め缶詰を並べる。
お箸は無駄に貯め込んでいた割り箸(笑)が大活躍。

貧相な食卓ではありましたが、白いご飯と味の濃い瓶詰めや缶詰のおかずはそれだけで幸せ!
普通のご飯が一番美味しい…!としみじみ思いました。

さんまの蒲焼きや焼き鳥の缶詰、とりそぼろやなめ茸の瓶詰めなど、安いもので十分なので数個買い置きしておくとかなり安心だと思います。
賞味期限が来たら普段の食事でおいしく食べて、また買い足せばいいですもんね。

パン缶もイケます

震災時、なぜか関東辺りでパンの争奪戦になっていたような記憶があります。
我が家でも、ご飯はあれどもパンはない…コンビニもスーパーも品薄で(東北では流通が止まってそもそも何もかも品薄でした)、そうなるとよけいにパンが食べたくなる…

で、震災後しばらくして買ってみました、非常食用のパン缶。
そしてちょうど先日賞味期限が来たので、食べてみました。
―― これが、美味しい!

我が家が買ったのはボローニャのパン缶でしたが、普段のボローニャのパンと比べたらバター感は足りないものの、十分美味しく食べられました。
薄く切ってトースターで焼くとさくさくになってさらに美味しい!
非常時も、そして賞味期限が来たときにも無駄にせず美味しく食べられるのはありがたいですよね。これはリピート買いします!

 

冷凍食品も大活躍


瓶詰めや缶詰だけではおかずのバリエーションが…というときに活躍するのが、冷凍食品。

でも電気が止まってしまったらレンジで温められないから食べられない―― とも限りません。
今は自然解凍でも美味しく食べられるお弁当用のおかずなどもありますよね。
震災時には、朝のうちに冷凍庫から出しておいて昼食のおかずにする、などかなり助けられました。

あ、でもこれは、非常食用に冷凍食品を買い置きした方がいい、ということではなく。
普段使いに買っておいた冷凍食品が非常食として活躍した、ということですね。
今も普段のお弁当用に冷凍食品を買うときには、自然解凍できるかどうかを頭の片隅に置いて買ったりしています。

 

甘味は必須!


甘いものが好きな人向けですが…甘味は必須だと思います!

とにかく非常時にはまず精神的に参りますし、倒れた家具を起こし割れた皿やガラスを片づけ…と作業していると当然体も疲れます。
そんなとき、どれだけ甘いものに助けられたか…!

チョコレートやようかんなどのガツン!と甘いものや、口の中でしばらく甘さを楽しんでいられるキャンディーなど、お好きな甘味を備えておくと体だけでなく心の癒しにもなると思います。

これも、非常食としてというよりも普段のおやつの中に日持ちのする甘いものを交えておく、というスタンスで十分応用が効くのではないかと思います。

 

飲料水+普段から飲むものを


断水してつくづく感じたのは、とにかく生活のすべてに「水」が不可欠で、「水」がなければとても不自由だ、という当たり前のことでした。

なのに、非常食はいくつか準備していたものの「飲料水」の買い置きはしていなかったといううかつさ。
電気もガスも生きていたのだから、水さえあればお湯を沸かしてカップ麺でもスープでも温かいものを食べたり飲んだりできたのに…!
震災が起きたのが3月というまだまだ寒い時期だったこともあって、温かい飲み物は本当に恋しく感じました。

その代わり何を飲んでいたかというと、普段用に箱買いしてあったペットボトルの野菜ジュースです。
これはこれで怪我の功名と言いますか…圧倒的野菜不足になる非常時の食卓で、気休め程度でも野菜分を補えたのは結果的に良かったと思っています。
旦那は烏龍茶が好きなのでこれも箱買いしてあって、摂取する水分に困らなかったのはありがたかったです。

この反省から、震災後はすぐに非常用の飲料水を箱買い!
ただ「水」は主に「食べ物」を作るために使うことになるのではないかと思います。
そして「飲み物」としては5年前の震災時と同じように、箱買いしてある「普段からの飲み物」(野菜ジュースや烏龍茶など)を飲む、と。
貴重な「水」を有効に使うにはこうした方がいいのかなと、あくまでも個人的な経験からですが、考えています。

 

普段からの慣れた食べ物が非常食になる


結果的に、震災後に備え直した「非常食」は、パン缶と「お湯を注いでできるお餅」とレトルトおかゆくらい。
あとは5年前と同じように、普段の食べ物や飲み物をそのまま非常食としてシフトするつもりでいます。

もちろんライフラインの状態や、住んでいる家の被害の程度など、状況によって非常食の出番も変わってきますよね。
その辺りは震災後に買い足したカセットコンロなども使いながら、上手く対応していけたらいいなと。

心身ともにダメージを受ける災害時だからこそ、なるべく慣れたもの、口に合うもので力をつけていきたい。
そんな方針でこれからも備えていこうと思っています。

 

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